第3話

9/11

243人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
「お前は生徒会なんて金にもならないし部活みたいなもんだと思ってるかもしれないが、学園っていう一つの大きな組織を、政策やイベントごとの運営で転がすのはなかなか面白いと思わないか?」 「意外だな。もっと冷めてると思ってた」  有馬がそう感じるのは、冷淡な印象を抱かせる頼弥の瞳のせいかもしれない。  学校行事など健全なものには興味がなく、派手な連中を引き連れて夜遊びに興じていそうに見えた。 「学生にはアソビの種類はちょっとでも多い方がイイに決まってる」  唇の端を上げて見せる男の顔は見るからに悪事を働いていそうで、だけどその中にゾクっとするような魅力があった。  生徒会に興味はないが、市来頼弥という男には少し興味があるかもしれないと思った。計算高い人間は嫌いではないし、この男には人を惹きつける天性の何かがある。  だけどそれは取るに足らないものだ。有馬にはもっと重要なことがある。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

243人が本棚に入れています
本棚に追加