プロローグ

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「仲良かったの?」 「いや、全然。そもそも学科が違うし」 「あ、そっか。兄ちゃん特進科で、RAIYAは普通科か」 「それで、お前の担当したってのはどこなんだ?」  強引に話を切って尋ねると、佑也は身を乗り出して情報誌のページをめくった。 「高校の時からすでにその名が轟くほどの有名人だって話だけど、ほんと?」  それでもまだ表紙のモデルの話は中断していなかったらしい。有馬は雑誌から視線を上げないまま口を開いた。 「あー……まあ、そんな記憶はあるな。生徒会長で、ファンクラブとかあって、とにかく派手で目立ってた」  有馬はそっち方面には疎くて詳しくは知らないが、通っていた高校には現役の芸能人が多くいたらしい。  その中でも高校当時からモデルをしていたその男の人気は他の追随を許さず、ファンというより信者に近い生徒が学校中にいた。
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