ヒーローホイッスル

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「私を呼べ! 君の助けになろう!」  瓦礫の山を駆け抜けて、その人物はやってきた。 「これから先、困ったことがあればこれを使いたまえ! 私が助けに行こう!」  差し出されたのは銀色に輝く笛だった。 「先を急ぐのでな。それでは、また会おう!」  彼はなぜかペストマスクを着けており、表情は分からなかったが、笑っているのがなんとなく分かった。去っていく背中はとても偉大で、僕もあの人のようになりたいと思った。  今でも忘れられない。彼は……僕の英雄だった。
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