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学校では毎日といっていいほど、あいつらは僕に絡んでくる。あいつらの思い通りになるのは嫌だが、正直に言うと、辛い。どうして僕がこんな目に合わなくてはならないのだろう。
それでも……僕は折れるわけにはいかない。ここで折れてしまってはこれから先も同じことを繰り返してしまう気がする。だから僕は諦めない。
それに、こんな最低な日々の中でも希望がある。僕は学校が終わった後の夕方、いつもの河川敷へと足を運んだ。
「クロー! ご飯だよ!」
僕が名前を呼ぶと、草むらの陰から一匹の黒猫が僕の方めがけて駆けてきた。
「クロ! 元気だったか? 今日もご飯持ってきたよ」
ご飯を差し出すと、僕の方なんかに目もくれない程、クロはご飯にがっついた。それほどお腹がすいていたのだろうか。
クロは僕が世話をしている黒猫だ。クロと出会ってから、もうかれこれ三年になるだろうか。初めて会った時は酷くやつれていて、元気もなかったが、今はこんなにも快復した。本当に元気になってくれて良かった。
僕は施設に住んでおり、クロを施設内で飼うことはできない。そのため、一日のうちの朝と夕方にはこの河川敷に来て、ご飯をあげるようにしている。学校もあるのでずっと一緒にいることはできないけれど、こうして少しの間でも元気な姿を見られるだけで幸せだった。
クロにご飯をあげた後、僕は施設に帰り、一日を終えた。
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