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ドサッと大きな音がして、それが自分が尻餅をついて転んだことと、その拍子にランドセルが転がり落ちたことで起きた音だと、星乃ソウマはしばらく経ってから気が付いた。 いつもどおり学校が終わって、友達や弟のレイと一緒に授業のことや読んでいる漫画のことを話しながら家に帰ってきた日のことだった。 今日は父さんが仕事を休んでいるから、きっと母さんと二人でテレビを見ているに違いない。 そう思ったから、レイが家の前で友達と話している間に、ソウマは家に飛び込んだ。 靴をそろえるより早くリビングを覗き込んで、「ただいま!」と言おうとしたのに、目の前にあったのは普段と全く異なる光景だった。 「と、父さん……母さん?」 リビングには、テレビの中から次々とニュースを読み上げるアナウンサーの声だけが響いていた。 テレビと向かい合うように置かれたソファには父さんが座っていて、リモコンをテレビに向けて今まさにチャンネルを変えようとしていた。母さんは、マグカップを2つ乗せたお盆を手に、ソファへ歩み寄るところだった。 異常なのは、二人ともその姿勢のままで、ピタリとも動かないで固まっていることだった。
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