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22
あ、眩しい。光で、板倉は目を覚ました。瞼が貼りついたように開かない。今、何時だ。もう起きなきゃ。無理やり上半身を起こすと、頭に痛みが走った。痛い。思わず声が出る。二日酔いかよ。夕べどれだけ呑んだんだよ。
その時意識が覚醒した。やっと目が開く。ここ板倉の部屋のテーブルに、ビールとチューハイの缶が並んでいる。すでに日が高い。枕元の目覚まし時計は十一時。大遅刻、と一瞬思ったが、今日は大晦日だから会社も休み。セーフだ。
寒い。板倉は真っ裸だった。毛布で体を包むと、甘い匂いが鼻を突いた。昨日まで部屋になかった匂い。女の匂いだ。
夢じゃなかったんだ。板倉は思い出す。居酒屋が閉店になって、未亜を自分のアパートに連れ帰った板倉は、彼女を抱いた。久々の女の体。温かさ、柔らかさ、滑らかさ、いい匂い。板倉は暗闇の中で、女を抱き、触り、揉み、脱がして、触れて、突き上げてくる欲情のまま、湿ったところを貫いた。全てが昔に戻ったようで、何もかもがスムーズだった。
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