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「社長、ESプロジェクトの中間報告を気に入っていましたね」  高崎室長が言った。沼田と高崎は社長室から出てきたところだ。 「ああ、昼休みを二部制にして、社員食堂の混むのを分散させるのは、すぐやれ、と言われた」  答えながら沼田は考えた。社長は、こんな風にESプロジェクトの提言どおり、会社をどんどん変えていくつもりなのか。 「プロジェクトメンバーは、よく頑張りました」 「ああ。リーダーだけでは無理だった」 「ええ、板倉の力ではありませんね」  沼田の脳裏に、前橋いつきが浮かんだ。高級レストランで落ち着かない様子の彼女。沼田はふと笑った。 「楽しそうですね」  高崎が沼田の顔を見ている。 「ああ楽しいよ。プロジェクトが進んで、会社の改革が進む。素晴らしいじゃないか」
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