3人が本棚に入れています
本棚に追加
24
「社長、ESプロジェクトの中間報告を気に入っていましたね」
高崎室長が言った。沼田と高崎は社長室から出てきたところだ。
「ああ、昼休みを二部制にして、社員食堂の混むのを分散させるのは、すぐやれ、と言われた」
答えながら沼田は考えた。社長は、こんな風にESプロジェクトの提言どおり、会社をどんどん変えていくつもりなのか。
「プロジェクトメンバーは、よく頑張りました」
「ああ。リーダーだけでは無理だった」
「ええ、板倉の力ではありませんね」
沼田の脳裏に、前橋いつきが浮かんだ。高級レストランで落ち着かない様子の彼女。沼田はふと笑った。
「楽しそうですね」
高崎が沼田の顔を見ている。
「ああ楽しいよ。プロジェクトが進んで、会社の改革が進む。素晴らしいじゃないか」
最初のコメントを投稿しよう!