【16】消す(物理)&潰す(物理)……?

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「それと、それよりも重要な事として、召喚獣との恋愛は禁止だ。最初に教えた通りだ。シュルラハロート侯爵から注意喚起があった。遠隔的に、学院での教育はどうなっているのかとも尋ねられたが、俺はきちんと注意をしている。まさか間違いが起きているんじゃないだろうな?」 「起きていません!」 「では、今どうしてクラインディルヴェルトは、お前を好きだと? 特に意味は無いと考えていいんだな?」 「はい!」  私が声を上げると、クライが腕を組んだ。 「どこから聞いていたんだ?」  そして、私と全く同じ疑問を抱いているようだった。 「イリスが、何故馬車の中で魔術を使ったのか問いかけたあたりから、偶発的に耳に入ってきてな」 「――その段階から? 俺に気づかせずに、一体どうやって後ろに立って聞いていたんだ?」 「召喚獣に対する人間の研究も進んでいるという事だ」  先生は表情をいつものように険しいものへと戻すと、私達の隣を通り過ぎた。 「鐘が鳴る。行くぞ」 「は、はい!」  私が慌てて追いかける脇を、ゆっくりとクライが歩いている。それから、どこか納得したように呟いた。
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