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俺の下半身にそっと手を添えた志貴さんはゆっくりと優しく撫でるように手を動かし始めた。
空いている方の手が俺の顔の真横に置かれて、彼が俺の性器を扱きながら俺の口内に舌を潜り込ませてくる。
彼とのキスは気持ちが良すぎて、つい夢中で彼の口にしゃぶりついてしまうんだ。
「っ……好き……」
「僕も好きだよ」
初めて見た時から俺は彼に夢中で、彼とこうして両思いになれたことが本当に奇跡みたいだと思う。
興奮で既に濡れている肉棒を志貴さんが指で攻め立てて、気持ちよさに呻くと、志貴さんが俺の首元に甘噛みをしてきた。
「…ん……跡付けてもいいですよ」
「ここはダメでしょ」
微笑む志貴さんは俺の鎖骨あたりに唇を寄せてきて、その瞬間チクリとその場所に微かな痛みが走った。
「君は僕のだよ貴臣」
一際大きく扱かれて、ビクビクと身体を仰け反らせて気持ちよさに酔いしれる。
彼の手が俺の性器から離されると、名残惜しさにふるりと下半身が揺れた。
「……ベッド行く?」
「……いきましょ」
お互い服もそのままに裸のまま手を繋いで寝室へと向かう。ベッドに着くと、性急に押し倒されてまた口内を貪りあう。
お互いに会話もなく、微かに盛れる吐息だけが部屋の中を支配していた。
「……貴臣、いい?」
「いつでもどーぞ」
沈黙を破るように尋ねられて、俺はヘラりと軽く笑って返す。
「……舐めて」
「んあ…っ…」
志貴さんの長い指が差し出されて、俺はそれを口で加えると丹念に舌を這わせた。何故だか彼の指は甘い味がする気がする。
俺の口から指を引き抜いた彼は俺をうつ伏せにして、恐る恐る俺の尻の谷間を掻き分けて、そこにある蕾に触れる。
「痛かったら言ってよ」
最初は周りのシワを伸ばすように指で入口付近に触れてくる志貴さんは少し緊張しているのかなんだか手が微かに震えている気がした。
「怖いの?」
「……少し……」
「やっぱり男とするの嫌?」
お互いに顔は見えなくて、どんな表情をしているのかは分からない。
「そうじゃなくて、貴臣に痛い思いさせちゃったらどうしようって思ったら怖くて」
そう言いながら、丁寧に指で穴の周りを揉みほぐす彼に俺は思わず笑ってしまった。
天然なのかわざとなのか……それとも優しすぎるのか。
この人は本当に可愛すぎる。
「痛くしてもいいですよ」
「……どうして?」
「初めてには痛みが付き物って言うでしょ?それに、痛かったら痛かっただけ今日のことずっと忘れないと思うし」
俺の言葉に志貴さんの手が止まって、そこから離れていく。それに疑問を抱いて顔を上げると志貴さんと目が合って、彼は俺の顔を見て一言、ダメだよって呟いた。
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