もどかしい

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自分の孔に彼の肉棒を宛てがうとゆっくりと腰を落としていく。少しずつ彼のもので中を拡げられていく感覚と圧迫感に中々腰を進めることが出来ない。 「貴臣」 心配そうに志貴さんが俺の名前を呼んで来るから、大丈夫だってヘラって笑うと彼が上半身を起こして対面になるように体勢を変えた。 「支えるからゆっくり息して」 「……ん」 志貴さんが俺の腰をしっかりと支えてくれて、俺は自分のペースでゆっくりと腰を落としていく。 腹の圧迫感が半端なくて、涙が溢れてくるのを志貴さんが舌で舐めとって、もう少しって耳元で囁いた。 「あっ……深い……」 「……はぁ……全部入ったね。貴臣の中、温かくてすごい気持ちいい」 「志貴さんっ……恥ずかしいからっ‥‥」 「っ……貴臣可愛い‥‥」 何度もした深いキスをすると志貴さんのが中で更に大きくなって、いい所を掠めてくる。そのせいでキスの合間に声が漏れて、その度に志貴さんが可愛いって囁いてくるから俺は恥ずかしいやら気持ちいいやらで頭が段々と真っ白になってきていた。 「貴臣動ける?」 「……むりっ……」 「じゃあ、ちょっと我慢してね」 「え……あっ、んん!!」 志貴さんがぐっと俺の腰を持ち上げて繋がったまま俺の事を押し倒した。 一気に奥に入って、嬌声を上げると志貴さんがゆっくりと腰を動かし始めて、俺は彼の首にしがみついてただただ身体を揺すられながら甘い声をあげることしか出来ない。 自分のものとは思えない喘ぎが部屋中を満たして、お互いの荒い息を交換しながら深く深く…奥まで求め合う。 繋がっている所から彼とこのまま溶けて1つになれたらいいのにって思ってしまって、それが無理だってことにもどかしさを感じる。 もっともっと志貴さんのことが欲しい。 俺だけの志貴さん。 彼が腰を動かして1つまた1つと俺が声を漏らす度に、彼が俺の事を好きな気持ちが増せばいいのにって思った。 「志貴さっ‥‥好きっ……」 「ん、僕もっ、、僕も貴臣のこと好きだよっ」 肌と肌のぶつかり合う音をBGMに初めてとは思えない程に強く執拗にお互いを貪りあって、唾液を交換しながら口付けをする。 汗が額から顎へと流れて、その汗すら綺麗だと思う。 全部全部……何もかも 「……綺麗だ……」 ガラスケースの中身は外から見るよりも、もっともっと輝いていて、それを手に取ると壊してしまいそうで怖くなる。 けど、もう手放すことなんて出来ない。 鍵は開けてしまったから。 「志貴さんっ‥‥」 「‥‥っ‥‥貴臣」 彼の手を力いっぱいに握って、気持ちよさに喘ぎながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。 「……、愛してる……っ、志貴さんのこと……何よりも誰よりも、、愛してるよ」 俺の言葉に志貴さんの腰の動きが1層激しくなって、彼がぐっと腰を奥に押し付けた。 「きてっ……」 彼の背に足を回してホールドすると、志貴さんが微かに唸って、そんな彼の男らしい姿に心臓がドクリと跳ねる。 「……だすよ」 「ん、ちょーだい」 志貴さんが俺の事を抱き込んで、数回激しく腰を動かした。 俺はそれに一際大きく声を上げて、俺たちは同時に精を吐き出す。 「好き……」 「俺も」 志貴さんの言葉に俺は笑顔で返事をする。 彼から貰う好きって言葉が好きだ。 志貴さんも同じことを思っていたらいいのに。 そんなことを考えながら肩で荒い呼吸をしている彼にキスをした。
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