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小隊長が眼下に映る城下町を指さす。
まさか、魔族の街で買い歩きをしても良いと言い出すとは思わなかった。
「多分売ってるけど、もちろん銅貨や銀貨は使えないよー。魔族は物々交換が基本なのだ」
「そりゃ困ったな。金以外に差し出せるものは持って来てねぇ。腕や首なんか差し出させるなよ」
冗談のつもりだが、実はそれでも買い物ができるとは、人間にとっては冗談ではない。
「剣や軍服だって無理だからな。嬢ちゃん、何か不要な物を貰えねぇか?あっちに帰ったら買い直してやるからよ」
「いいや、生憎だが私も杖と衣服、手帳類以外には何もないな」
そして、視線が集まるのはトニーだ。
「何で俺が払う事になる?ヘル、出してやれ」
「我の落ち度になるのは最もおかしいと話したはずだが?」
この四人の擦り付け合いは長引きそうだ。
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