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……
未だ傷跡が深く残るフィラデルフィア城下を、執務に戻ったヘルを除く四人で歩いている。
半壊している土造りの建物の前に簡易テントを張って雑貨屋を出店しているスケルトンがいた。兵士ではなく、フィラデルフィアで生活をしている一般人のようだ。
「これはこれは。カトレア様にバレンティノ将軍」
「何を売ってるのー?」
「衣服に雑貨の様なものでございます。恥ずかしながら、高位の方にお勧めできるようなものは何一つ……」
確かに、商品が並ぶテーブルの上にはとても売り物だとは思えないボロ布や石、金属片などしかない。一番マシなものは途中でぽっきりと折れた抜き身の直剣だろうか。
「なんつーか。普通にこうやって魔族も生きてるんだな。パリまでやってきて、人間を食い漁るような奴ばっかりじゃないわけか」
「私も今、複雑な思いを抱いているよ」
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