♭16(前巻からの続き)

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「そうでしたか。おい、ウチの親父を助けてくれてありがとな。お前らは俺達にとっても恩人だ」 トニーを囲んでいた一同が、今度は客人二人の周りに集まってくる。 「親父?なんでこんなにデカい息子たちがゴロゴロといるんだよ。んで、嫁はそこのちびっ子だろ?わけわかんねぇ」 「あ、その、すまない。まだ魔族とこんなに至近距離に寄るのは抵抗があってだな。もちろん人間であろうと大勢の男衆に囲まれるのも、ちょっと」 組員らと魔族の兵士らにも詰め寄られ、クロエと小隊長がそれぞれの理由で困惑している。 「俺達の組織は、おっさんに分かるように言えば……そうだな、親子の契りを結んでるんだよ。別に実子じゃねぇが、家族みたいなもんだ」 「なるほどな。この、トカゲやら骨の魔族もか?」 「そっちは部下だ。ファミリーとは別で考えちゃいるが、どっちも大事な連中だ。別に甲乙つける気はねぇから、仲良くしてやってくれよ。お前らも今や仲間みたいなもんだからな」
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