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「あ、骨くん!あたし、閣下連れて帰って来たよぉ」
「カトレア様、これ以上ないお手柄でございました。閣下にもしもの事があれば自刃する覚悟でしたが、感謝申し上げます」
トニーの後ろからジャックがカトレアに謝意を述べる。
「なーにが自刃だ。簡単には死ねねぇだろ。というか、そんなことはするな。仮に俺がくたばったとしても、てめぇの余生は組の連中の面倒を見てやれ」
「はっ、かしこまりました」
「おい、将軍様よぉ。なんつぅか、こっちの連中も気の良い奴らが多いじゃねぇか。色々と悪かったな」
小隊長が一歩前に出て、トニーの肩を軽く叩く。
「構わねぇよ。人の善悪に魔族も人間もねぇってのは分かってくれたろ?良い奴はどっちにもいるし、悪い奴だってどっちにもいる。あとは、痩せた土地と貧しい暮らしぶりも分かってくれたはずだ。これが魔族が時折お前らの街を襲う理由だ。腹が減ってる。それだけだ」
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