♭16(前巻からの続き)

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「……それを許すとまでは言えねぇがよ。人間だって食うんだろうからな。でも、こんな何も育たねぇような国で、腹が減ってるってのは理解した」 「転移術が無けりゃとっくに絶滅してただろうな、こいつらは。で、何百年か何千年も前だったか。歴史は詳しくねぇが、遥か昔には一緒にヨーロッパやらアジアで人間と暮らしてた魔族を、この大陸に追放したのは当時の人間様なんだとよ」 聞き慣れないこの衝撃的な話には、小隊長だけではなくクロエも反応した。 「それは本当か、将軍?人間たちが魔族の力を恐れて、という事だろうか?」 「俺もその時代にいたわけじゃねぇから本当かどうかは知らねぇよ。だが俺はそう聞いたぞ」 「それは正しいよー。で、人間の偉い人たちはその歴史を隠してんの!だから今の人間は知らないんだって!可哀想ー」
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