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「えぇー?一応、最初に悪いことしたのは間違いなく人間だってばぁ。陛下とか参謀長とかお婆ちゃんに聞けば当時のことだってお話してくれるよぉ?ていうか、ヘル閣下でもいいし!」
カトレアとしてはトニーが全面的に魔族側を擁護してくれないことに不満があるらしい。大魔王や大魔女エリーゼなど、あらためて長寿組に聞けとまで言う始末だ。
どちらかと言えばそれはトニー本人よりも二人の客人に対して効果があるかもしれない。
「だからどうだっていいっての。実際にそれを知ってるって奴に話をされたところで、数十年しか生きられない人間にはおとぎ話にしか聞こえねえんだよ」
自分たちの物差しで考えると、何千年、何百年生きていると言われても信憑性に欠けてしまうのは仕方がないことだ。
「そこまで言う兄ちゃんが人間の身で魔族側についてるのは出生だけが理由かよ?」
「そうだ。ロサンゼルスって街に落ちてきた。そこで出会った魔族をぶっ飛ばしたら他の雑魚共が俺に従うって群がって来た。だから面倒を見てる」
「落ちてきた?生まれ落ちたって意味なのか何なのか良く分からねぇが、それが運命だったって事だな」
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