♭16(前巻からの続き)

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実際、トニーは元の領主よりも減税している場合がほとんどだ。侵略による死者や怪我人もゼロではない為、恨みはないとも言い切れないが、むしろ感謝されているケースも多数ある。 「いずれは俺達の街にも兄ちゃんたちの部隊が攻め寄せるってか」 「それはねぇと思うけどな」 「あぁ?なんでだよ、そういう話だろうが」 「フランスはヨーロッパでも一番西だろ?そこまで部隊が進む頃には抵抗らしい抵抗なんざ無くなってるさ。俺らが言うほど暴力的じゃねぇって噂もきっと広まってる。和平交渉なり、属国化の話なり、そういう形で進むんじゃねぇのか?フランスのお偉方が意地になって戦おうとしねぇ限りはよ」 かなり楽観的な話だが、フランスが攻撃対象となっている時点で他の国はことごとく魔族の手に落ちていることになる。戦意喪失もあながち有り得ない話ではあるまい。 加えて、トニーが目指すのは世界征服ではなく、アメリカが世界第一位の権力国となって「星守」なる存在が具現化することだ。それが達成された時点で侵攻は事実上停止する。
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