♭16(前巻からの続き)

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「まーた、例の転移術かよ」 「慣れないものだな。急に景色が変わるというのは」 小隊長とクロエが見たことのない中国の街並みを観察しながらそう言った。 「上海だよー。すっごくおいしい料理屋さんがあるからみんなで食べようよ!」 以前、トニーと訪れた中華料理屋も含め、カトレアは中国の食事が気に入っている。大きなエビや上海蟹、鶏など、丸々と食材の姿が残った派手な料理を取り分けるのが楽しいらしい。 唐辛子をふんだんに使った四川料理は苦手なので、上海料理、北京料理、広東料理がメインとなる。特にここは上海である以上、海鮮が豊富な上海料理店が最も利用頻度も多い。 「おや?これは、カトレア様に……将軍様!?」 「バレンティノ閣下!?」 転移術自体はたまに目撃するはずだ。しかし周りの住民たちがその人物、突然のトップ二人の登場にざわつき始める。
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