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「どこでも大人気なのは良く分かったがよ。俺には普通の人間の街に、お前ら二人が人間として君臨してるようにしか見えねぇぜ」
「そりゃここにはほとんど人間しかいねぇからな。だが、俺らが占領した割には生き生きしてるだろ」
跪いたり、両手を合わせて拝む連中に対して軽く右手を挙げて応じながら、トニーは小隊長にそう返す。
「確かにな。奴隷みたいな生活してるようには見えねぇ。むしろさっきの魔族の街の方が色々と酷かったじゃねぇか。街を乗っ取ったんならなんでさっさと移住してこねぇ?」
「転移術が理由だな。住む場所は別にあれでいい。何か必要な時だけふらっと出てくる。そういう奴らが多いんだよ、魔族には」
フィラデルフィアはトニーの街ではないのであそこの住民は上海などには出てこないが、ロサンゼルスの者は別だ。もちろん住民ではなく、ここを訪れるのは食料や衣料品など、何かに用事があるトニー配下の魔族や組員だけだが。
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