♭16(前巻からの続き)

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ちなみに、既にカトレアの翻訳術で住民の中国語、トニーらの英語、クロエらのフランス語は垣根を越えて全員が理解する言語として、つまり各々には母国語として聞こえている。 「カトレア嬢、せっかくなのでお願いしてもいいだろうか?」 「んん?なぁに?」 「食事がとりたいのであればその後で構わない。もっと、世界中の街の様子を見てみたい。大ヨーロッパ、大アジア、アメリカを問わずな」 移動時間を気にすることなく、一瞬にして様々な国の見聞を得るまたとないチャンスだ。さらに、カトレアやトニーが一緒にいるのであれば、人間の国でも魔族の国でも全く関係ない。 「おうおう、敵地の割に余裕だな。宮廷魔術師の嬢ちゃん」 「それは貴殿も同じだ。トカゲの化け物と仲良くなっていたじゃないか。それで、カトレア嬢。いかがかな」
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