96人が本棚に入れています
本棚に追加
クロエと小隊長が顔を見合わせて、諦めたかのように肩をすくめる。
そして、カトレアの手招きに従ってその場に立った。トニーは特に動かず、少し離れた位置から三人の様子を客観的に見ている。
「これは……この、我々がいる神殿のような土地は宙に浮いているのか」
「なんだ?空飛ぶ城だと?夢でも見せられてる気分だぜ」
「あたしが注目してほしいのはそこじゃないんですけどー。一面の荒野の中に建ち並ぶ簡素な街並み!しかも今はおっきい虫に壊されてボロボロ!厳しい環境でしょー」
引き続きのオーバーリアクションでカトレアが説明する。悲痛だと訴えたいはずなのだが、なにやら楽しげに見えてしまう。
「大きい虫?まぁ確かに街並みは酷いものだ。しかし、将軍の話では街などないという話だったが?」
「うん!ここは閣下とあたしの街じゃないよー。こういう場所は珍しいです。でも家とかあったほうが分かりやすいかなと思って」
最初のコメントを投稿しよう!