♭16(前巻からの続き)

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クロエと小隊長が顔を見合わせて、諦めたかのように肩をすくめる。 そして、カトレアの手招きに従ってその場に立った。トニーは特に動かず、少し離れた位置から三人の様子を客観的に見ている。 「これは……この、我々がいる神殿のような土地は宙に浮いているのか」 「なんだ?空飛ぶ城だと?夢でも見せられてる気分だぜ」 「あたしが注目してほしいのはそこじゃないんですけどー。一面の荒野の中に建ち並ぶ簡素な街並み!しかも今はおっきい虫に壊されてボロボロ!厳しい環境でしょー」 引き続きのオーバーリアクションでカトレアが説明する。悲痛だと訴えたいはずなのだが、なにやら楽しげに見えてしまう。 「大きい虫?まぁ確かに街並みは酷いものだ。しかし、将軍の話では街などないという話だったが?」 「うん!ここは閣下とあたしの街じゃないよー。こういう場所は珍しいです。でも家とかあったほうが分かりやすいかなと思って」
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