♭16(前巻からの続き)

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「幸い、大きな問題はございませんでした。ただ、隣国では怪しい動きがあると風の噂を聞きました」 「隣国?どこだ」 「詳しくは私も存じ上げませんが、インドやスリランカあたりでしょうか。ここ中国ほどは、閣下の御手の者が入っていないと聞いております。既に占拠していたはずの街で住民が決起した場所もあると」 呂明の言う通り、中国はアジアの足掛かりにした国であり、重要拠点として力を入れて管轄しているが、他の国はザルだ。 いくら減税などで好待遇をしているとはいえ、目を離していれば自分たちの国や街を取り戻したい、独立したいという勢力は出てくるだろう。 「野郎どもにでも、少し見て回らせるか。もし、そいつらの不満が話し合いで解消できそうなら聞いてやってもいい。他は何か無いか?」 「特にございません。これも閣下のご威光の賜物でしょう」
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