♭16(前巻からの続き)

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「お前がそんなつまらねぇ冗談吐くとは驚きだぜ」 離れていたトニーが皆の元へと歩いてくる。そして、ヘルの華奢な身体とガッシリと力強くハグをして背中を叩き合った。 「よく戻った、友よ」 「てめぇらにも随分と心配かけたみたいだな。永らく空けて悪かった。この通り、俺はピンピンしてるが、一緒にいた連中は消えちまったらしい」 二人がハグを解き、話している途中で小隊長が割り込む。 「待て待て!どういうことだ、将軍様ご夫妻よぉ!俺達と化け物を面会させてどうするつもりだ、てめぇら!」 「知らねぇよ。そのガキがやったことだ。だが、この骨野郎を見て思うことは無いか?俺も最初に魔族を見た時は何事だと思ったもんだが、いつまでビビってやがる。いい機会だ、少しくらい話してみろ」 「思うことだぁ?邪悪な化け物にしか思えねぇな!」 「嫌われたものだな。確かトニーも貴様らと同じ人間だが、別の世界がどうのというよくわからん存在であったか。まぁ、我にとっては友の素性など些細な事だ」
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