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ただこれはもちろん、攻撃の意思ではなく、ただ単に甘えているだけである。しかし、その威力は正に魔族のもので……
「ぐぉっ!?おい、ガキぃ!いきなり突っ込んでくるな、馬鹿が!」
屈強な体躯を持つトニーであっても、その厚い胸板にかなりの衝撃があったようだ。
飛び込まれたのと変わらないくらいに強い力で彼女を引きはがして地面に落とした。
「へっへーん!油断してるからそっちが悪いんだよーだ!」
尻もちなどつくことなく綺麗に両脚で着地したカトレアは、悪びれる様子もなくトニーを指さしている。
「夫婦仲睦まじいのは結構だが、さっそく話を聞かせてもらえないか?」
「これが仲睦まじいか。ガキにからかわれてるだけだ」
「そう!なかむつまじい!の!よくわかってるね、弟くん!」
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