#19

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「あろうことか、外縁を部下に攻撃させている間に自身は俺のいる部屋に直接転移してきてな。それでめでたくご対面というわけだ」 「へー、よく殺し合いにならなかったねぇ」 「奴は俺を利用する気だったからな。モスクワを共同で落とさないかと話を持ち掛けてきた。砦を壊したのは、モスクワの連中に街を一つ破壊したのは俺だと思わせたかったんだろ」 ただ、修復可能な軽微な損傷であればまだ、クレムリンの意見は気にする必要がない。つまり、現在の懐柔作戦を進めてもいいし、オースティンと結んで攻めてもいいという選択肢は残っているわけだ。 ただ、前者を選んだ場合はいよいよオースティン副長は砦二つを完全に壊しにかかるだろう。 女団長のことを考えれば前者一択だが、トニーはどちらが楽か、という事しか考えていないものと思われる。
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