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「それで?オースティンと結ぶのか?付き従ってくれているロシア兵団はどうなる。敵対してしまうが」
「んなこた些事だ」
「……兄貴ならそう言うと思ったよ。ただ、決断する前に、こちらの国王陛下の行方を知らないかどうか、ソイツと話してみたいな」
ウィリアムにと手の最重要事項。否、トニーが目指すアメリカの巨大化やその先にある現世への帰還こそがウィリアムにとっても最終目標ではあるが、イタリア国王への忠義は無視できない。
仮に国王が死んでしまっていたとしても、それを確認するまでは捨て置けない仕事だ。そして、暗殺ではなく誘拐であることから、生きていると考える方が妥当である。
ただ、誘拐犯からは身代金などの要求が一切ないので困りものだ。ただ単に拉致するだけでは勿体ないほどに地位のある人物なのだが。
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