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「妙にこだわりやがる。そんなに大事なら目を離さずにいるべきだったな」
「それは返す言葉もないな。ただ、こうして俺がこんな世界で単身で生き残ってこれたのも陛下のお力が大きいんだ。それくらいに恩義は感じている」
「まぁいい。オースティンに会いに行くときはお前も来い。奴と結ぶかどうかは考えているところだ。ちょうどいいメンツも集まっていることだし、少しお前らの意見を聞かせろ」
これは珍しいこともあったものだ。何事も即断即決のトニーが決めあぐねているとは。
「俺は……基本的には反対ではある。ただし、陛下があちらの手の内にある場合は、危険が及ばないように最大の配慮をお願いしたい」
「オースティンがイタリア国王のガラを持ってたら、言いなりになるってことかよ。人一人のためにモスクワ市民を殺す事も辞さないとは、中々言うじゃねぇか、ウィリアム」
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