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そんなことを言ったつもりはない。しかし、極論を言えばそうなってしまうわけだ。
イタリア国王の助命嘆願や解放のため、オースティンと結んでモスクワを落とす事を選ぶと。
ただ、ハナからこの意見はあちらに聞かせるつもりはない。
イタリア国王が交渉条件に使えると気付かれていないのであればそれでいい。
「意地悪な言い方をするもんだな、トニー。俺だってロシアには何の恨みはないさ」
「いっそ、どっちも敵に回しちまうか」
「はぁ?それに何のメリットがあるんだ」
「面白くなる。ただそれだけだろうさ」
ロシア兵団はこちらから離れ、イタリア国王の命も危ぶまれる、最悪の選択だ。普通であれば絶対にその命令には従えない。しかし、トニーはファミリーのボスだ。
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