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「パリのクロエや、小隊長のおっさんはロシア兵団の嬢ちゃんらと一緒にモスクワに残っているのか?」
「はっ、ウィリアム様が仰るにはそのはずです」
扉越しに回答が返ってくる。
「なら呼び寄せてウィリアムと同じ場所に置いておけ。犬っころと揉めた場合に使える」
「はっ!」
ロシア兵団の女団長と爺やたちはモスクワ城門前の我慢比べから動かすわけにはいかない。オースティンと結ぶ場合はその場で敵対してしまう。
しかしそれ以外は、雑兵を除く少数での最大戦力で敵地へと飛び込むべきだ。クロエと小隊長の二人は強い。
ウィリアムが彼女らをおいてきたのは、イタリア国王との繋がりがないからだろう。反対に護衛のような二人と大勢の騎士たちは、大いに関わるのでウィリアムについてきたわけだ。
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