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「閣下、い、いかがなさいましたか?お申し付けくだされば、お部屋までお運びしましたのに」
引きつった笑顔で給仕が尋ねる。上の機嫌一つで首が飛ぶのは誰でも嫌なものだ。
「毒でも入れてないか見に来ただけだ」
「そんな!滅相もございません!」
あからさまなゴマすりにちょっとした悪戯心でそう返すが、会話を聞いている兵たちがピリッとしたのは言うまでもない。
勿論、給仕にそんな疑いは一切ないが、トニーの言葉の方が重い。それだけだ。
「冗談だ。真に受けるな。お前はよく働いてくれている。料理と酒を持ってこい」
「は、ははっ!!」
飛んできたときと同じ速度の駆け足で厨房に戻る給仕の男。料理の前に素早くワインが提供され、その後一分と経たずに魚料理とパンが運ばれてきた。
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