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「閣下、私もご一緒しても?後ろでただ立っていては手持無沙汰です」
「腹が減っているなら好きにしろ。減ってないなら仕事に戻れ」
「では失礼して」
セクレタリアトは椅子を使わず、四本脚を器用に畳んでトニーの近くに着座した。
それを見た給仕が彼の分も料理を運んで来る。
「魚か。ちぃと味が淡白だな」
「そうですか?これでも濃い味付けだと思いますが」
どちらかと言えばトニーは肉の方が好みだが、ムニエルのような魚料理は薄味ながらもなかなか美味だった。
濃い味に、というよりも味付け自体にあまり馴染みのない魔族にはそう感じないらしいが。
まずはワインと一緒に、次はバゲットに挟んで二回楽しむ。
セクレタリアトはさすがに酒は飲まず、食事だけだ。
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