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ワインを追加し、食事の間にボトルを二本空けてしまった。
酒酔いで良い気分になってきたので女でも呼びつけたいところだが、残念ながらこの砦にはその準備がない。
ロサンゼルスへ戻るか、モスクワ以外のロシア国内の都市で娼館に向かうかだ。
「閣下、だいぶお強いようで」
「……そうかもな」
現実での話し相手といえば、目の前にいる甲冑姿の人馬の化け物。
酒がまずくなるとまでは言わないが、急激に酔いも醒めるほどにつまらない状況だ。
美人のことを考えている時に、目の前に中年の親父や老婆の顔があったら興醒めだろう。それと似ている。
紙巻きタバコをくわえ、指先からの魔術で火を灯す。
せめてもの抵抗として、紫煙でセクレタリアトの顔を見えづらくした。
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