♭19

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無論、度が過ぎればうっとおしくなってしまうのは確かだが、基本的にはそういったスタンスだ。 「トニー、少しいいか。出来れば二人で話したいんだが」 「あぁ?何だ、ここで言え」 「いや、それは厳しい。聞いてもらえないならそれでも構わないが、出来れば耳に入れておきたくてな。俺の案を」 ウィリアムが堂々と内密な話があるというのも珍しい。 駐留している砦が別の場所なので、中々二人きりになるチャンスがなかったのだろうが、それほど聞かせたいなら気になる。 「チッ。お前ら少し待ってろ。ウィリアム、俺の部屋に来い」 「あぁ、ありがとう」 皆が集まっていたのは広い階下だが、狭い階段を兄弟だけで上がる。 トニーの私室に入り、密談の場は整った。
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