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無論、度が過ぎればうっとおしくなってしまうのは確かだが、基本的にはそういったスタンスだ。
「トニー、少しいいか。出来れば二人で話したいんだが」
「あぁ?何だ、ここで言え」
「いや、それは厳しい。聞いてもらえないならそれでも構わないが、出来れば耳に入れておきたくてな。俺の案を」
ウィリアムが堂々と内密な話があるというのも珍しい。
駐留している砦が別の場所なので、中々二人きりになるチャンスがなかったのだろうが、それほど聞かせたいなら気になる。
「チッ。お前ら少し待ってろ。ウィリアム、俺の部屋に来い」
「あぁ、ありがとう」
皆が集まっていたのは広い階下だが、狭い階段を兄弟だけで上がる。
トニーの私室に入り、密談の場は整った。
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