♭19

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「何だ、案ってのは……っと、待て。何かいるな。おい、ガキ!てめぇだろ!」 トニーが窓際まで進んで振り返り、ウィリアムが後ろ手で扉を閉めた形だが、扉が視界に入っていたトニーは小さな影が扉から覗いているのを見逃さなかった。 「ば……ばれた!!」 「カトレアか?彼女くらいは聞かせてもいいぞ」 「チッ……だそうだ。命拾いしたな。さっさと入れ」 「やった!」 兄弟水いらずとはならなかったが、カトレアが入ってきてトニーのズボンの裾を掴んだところでようやくウィリアムの話が始まる。 「仮に、陛下がオースティンのもとにいなかった場合でも、彼らと組んではどうだろう」 「ほう?どういうことだ?」 絶対にそのままの意味ではないことくらい分かる。
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