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「何だ、案ってのは……っと、待て。何かいるな。おい、ガキ!てめぇだろ!」
トニーが窓際まで進んで振り返り、ウィリアムが後ろ手で扉を閉めた形だが、扉が視界に入っていたトニーは小さな影が扉から覗いているのを見逃さなかった。
「ば……ばれた!!」
「カトレアか?彼女くらいは聞かせてもいいぞ」
「チッ……だそうだ。命拾いしたな。さっさと入れ」
「やった!」
兄弟水いらずとはならなかったが、カトレアが入ってきてトニーのズボンの裾を掴んだところでようやくウィリアムの話が始まる。
「仮に、陛下がオースティンのもとにいなかった場合でも、彼らと組んではどうだろう」
「ほう?どういうことだ?」
絶対にそのままの意味ではないことくらい分かる。
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