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「そうだな……モスクワにお灸をすえるという意味だと分かりやすいか。オースティン達にはこっちが味方だという状態で城攻めを。我々もその場には布陣するが、ロシア兵とオースティンの軍団、この二つの衝突が始まったら寝返ってオースティン側を討つのさ」
「く……はは!面白れぇことを思いつきやがる!」
「当然、女団長くらいにはこの話は通しておくといいだろう。ただし、モスクワ側には知らせない。彼らには、俺たちが街の窮地を救う活劇をリアルタイムで見てもらわなきゃならないからな」
要は騙し討ちだ。それも、オースティンとクレムリンの両方を騙す大芝居を打たなければならない。
成功報酬はオースティンの首と、モスクワの懐柔。その両方である。
「えー?えー?何が面白いのー?」
約一名。盗み聞きをしに来たのに、話を理解できていない幼女がいるようだが。
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