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「しかし、あくまでも作戦だとしても、実際に死人や怪我人は出るだろう?それを誘発し、見ているだけというのは……」
なおもクロエはロシア人の被害を良しとしない様子。隣にいる小隊長はあまり興味がないようで、腕組をした状態で近くにいるセクレタリアトの鎧を見ている。
「それは同感ではある。ただ、犠牲のない状態での入城許可がロシア皇帝から下りない以上、この策に賭けたいんだ」
「クロエ、モスクワに残してきてる兵団の頭目の女とジジイは首を縦に振ったぞ。身内が良いって言ってんだから外様の出る幕じゃねぇ」
トニーの言う通り、既に女団長には連絡済みだ。彼女らも同法が傷つくことに良い顔はしなかったが、埒が明かない状況を鑑みてしぶしぶ了承したらしい。
「なんだと……!まさか、そんなことが」
「降りるか?降りるならここにしばらく缶詰めだ」
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