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「それも気になって仕方ないだろう。同行する」
缶詰めとは言ったが、強制的にパリに戻されることも考慮しなければならない。彼女らはまだまだトニーらと行動を共にしたいことは承知しているので、かなり意地悪な提案だ。
「あぁ。ぼーっと見てる間は不満があるだろうが、オースティンに食らわす時にでも暴れてやれ」
「別に私は狂戦士では……」
「はははっ!それは俺向けの言葉だろうぜ!」
小隊長が笑い、久しぶりに声を聴いたなとトニーは思う。彼もしばらく暴れていないので、鬱憤は溜まっているだろう。
「他に何か意見があるやつは?なければ出発だ」
再びウィリアムに会話の主導権が戻る。誰も何も言わないので了承の意だ。
「ではカトレア、それとジャックにセクレタリアト。転移を頼めるか」
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