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「まずはカトレア嬢、どうして我々をここに連れてきたのだ。それも一瞬で」
「言ったじゃん。あたしたち魔族がどういう状況なのか見てもらったの。地獄の底で暮らしてるんじゃなく、ふつーの貧しい人々って感じでしょ?来た手段の話なら瞬間転移だよ。あたしはなんと、転移術師なのだっ!」
クロエは取り出した手帳にカトレアの言葉を書き留めていく。
「転移術師とは、人間にはいない術者だな」
「らしいね!不便だなぁ」
「ほう。それで人間どもは、いつまでもこのアメリカの地に反撃が出来ぬわけか」
ヘルは人間が誰一人として転移術を使っていない事など忘れてしまっていたようだ。言われてみれば確かにそうだったな、といった様子である。
「だから俺らにとっちゃ、今がその最大の好機ってわけだ!」
「おじさんずっとうるさーい。剣また取り上げるよぉ?こーんなにかわいい熊さんにしたのに。ねぇ、クマ閣下?」
「名まで変えるな」
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