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15
キミが導き出した答えのもと、キミたちは体育館にやってきた。
なかでは、バドミントン部やバスケットボール部が部活動体験を行っている。
「この学校の体育館、4階まであるからな。部屋もいっぱいあるし、どっかにいるだろ」
こうしてキミたちは、手分けして体育館をくまなく探すことになった。
信じられないくらい広い体育館を隅から隅まで探すが、遊部のセンパイたちはいっこうに見つからない。
気が付けば、運動部はみんな部活動体験を終えて帰り支度をしていた。日も暮れ始めている。カラスの鳴き声が、むなしく響いた。
……どうやら、答えは体育館ではなかったようだ。
「づ、づかれた……」
再び体育館の外に集まるなり、キミたち4人は同じ言葉を言った。
キミは答えを間違ったことを謝罪する。
「気にすんな。つか俺はそもそも全く見当もついてなかったしな」
竜也がニカっと笑う。
「そうだよ。意見出してくれてありがとう!」
「ホント助かったよ」
茉優も蒼樹も、キミを労ってくれた。
「これからどうしようか」
しばらくして茉優が言った。
謎が解けなかった今、キミたちには遊部のセンパイに会うすべはない。
校舎の電気もほとんど消えかけている。
「……あれ、あそこは電気ついているね」
茉優が指さす先に、ひとつ電気がまだついている部屋がある。
「場所的に職員室じゃなさそう……。通常教室じゃない? 2階だから3年生?」
「位置的に…、2組だな」
竜也が言うと、
「あ」
蒼樹がふいに声を上げた。
「どうした蒼樹?」
「いやその、偶然かもしれないんだけれど……。
あのホワイトボードの謎の答え、僕は3-2だと思ったんだ」
「えっ、どうして?」
茉優がきくと、蒼樹はスマホを取り出してホワイトボードの写真を見せてくれた。
(ホワイトボード)
『新入生のみなさんご入学おめでとうございます。
おまちしてました!
和久学園高校遊部へようこそ!
私たち遊部員の居場所をみつけられたら入部をみとめます。
この謎をといたら居場所がわかるよ。』
“『1-11、1-12、4-11、1-3』にいます。”
「下の数字が上の僕たちへのメッセージと対応していると考えると、1文目の11文字目は“さ”、1文目の12文字目が“ん”、……4つ続けると“さんのに”、つまり3-2になるから……」
「それを早く言え!」
思わず達也が叫んだ。
「まだ間に合うかもしれない! 行くぞ!!」
竜也の鶴の一声で、キミたちは一斉に校舎に向かって駆け出した。
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