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教科書に載せられている文章の曖昧さを指摘したかったのだ。
円形、円錐形、円盤、コイン、穴、四角形。
そんな言葉を並べながら、僕と先生はコミュニケーションをした。
左手が、事務机の上に乗せられていて、「小さいな」と、僕は思った。
赤いカーディガンが重力に従って体に羽織られていて、
襟元には白い肌をした細い首があり、
その上には、ほんの少し丸みを帯びた顔が乗っている。
薄いファンデーションと、そばかす。
灰色の目と、深海の目。
回答は、どうでもいい、と、僕は思っていた。
ただ、この「やりとり」が、好きなんだ。
そんな風に、自分のことを思った。
そのとき、不意に匂いがした。
した、というのは適切ではない。
ずっと、その匂いはしていたのだ。
匂いは漂ってたけれど、それまで自分は気づかずにいて、ある瞬間にその匂いを感じ取ることができたのだ。
その匂いは、先生から発せられるものだとわかった。
先生の赤いカーディガンに隠れた下腹部から出ているものと、僕は思った。
先生はコットンのパンツを履いていて、
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