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白い頸を見せながら、横たわる裸体は、そんな俺の問いかけに、答えたりはしない。
千弥子はひどく痩せていた。
あれからSEXで千弥子を無理矢理繋いだけれど、千弥子はどんどん生気を失っていき、食べ物を口にしなくなった。
かろうじて食べられていた果物も、今はキウイを半分食べるのがやっとだ。
俺は間違った選択をしたのだろうか?
千弥子にとって小説を書くことがいかに大切なことかは知っていた。つもりだった。
駄作と言いつつ、千弥子は書くことは絶対やめなかった。いつも小説を書いていた。
それは仕事だからという範疇を超えていた。仕事も執筆なら、息抜きも執筆なのだ。
千弥子にとって小説を書くということは、特別なことなんだって、思った。
けれど、こんな。
命を繋ぐのも難しいほど?
生命活動を維持できないほど?
それほど夢中になれるものがあることが、少しだけ羨ましかった。
でも、今はそんな場合ではない。
千弥子を生かさなければ。
「千弥子」
髪をそっと撫でて。
「シャワー行ってくるな」
首筋にキスをする。
少し熱めの湯をかぶった。
SEXで繋ごうなんて、安易過ぎたか。
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