救っておくれ

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「×××××」 高い声に名前を呼ばれ「あ、はい」私は弾かれたように顔をあげた。少し険しい目をした上司が私を見ていた。 「わかっているだろうが、関わりを持つなよ」 「はい」 頷いた瞬間、部屋に置いてあるアラーム――ひつじさんが置いてくれたものだ――が昼を告げた。昼休みだ。 「昼休みだ。とっとと出て行け」 「はぁい」 鬼上司ではあるが、昼休みに仕事をするのは禁止されている。 後ろ髪を引かれるが、切り替えも大事だ。 上司の机を離れる時、控えて黙っていたひつじさんが物凄く驚いた表情を浮かべているのに気付いておやと思う。でも私と目が合うと取り繕うようにいつもの笑みを浮かべた。なんだなんだ。 ひつじさんの反応も気になるけど、私はデスクに置いた鞄を肩に掛け「先にお昼いただきまーす」とお決まりの言葉を投げて執務室を出た。 「社長ーーー」扉越しに、ひつじさんの案ずるような声が聞こえた気がしたけど、何を話しているのかはわからなかった。 あれ、そういえば――― 「初めて名前呼ばれたな…」 いや思いっきり呼び捨てだったよ。
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