救っておくれ

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眠い、眠すぎる…。 職場の自分のデスクにてパソコンとにらめっこしながら、私は気を抜けば抜けそうになる魂を必死に引き留めていた。 朝イチ、社長は出勤してきた私の顔を見るなり「今日は内勤だ。先週の依頼の報告書を作り直せ」と指示してきた。昨日にみた夢で見事に寝不足となった私が依頼主に晒せないくらい相当ヤバい顔をしていたのだろう。 そりゃあ、社長やひつじさんみたいに容姿の整いまくった人種にしてみたら、至って平凡な女にクマが浮かんだだけでひどい顔に見えるのかもしれない。平凡は平凡なりにこれでも一応鏡は見ているんだけどもな! ひつじさんが淹れてくれたコーヒーを有り難く啜りながら、突き返された報告書を打ち直す。小学生の夏休みの日記か、と、それこそ小学生のような風貌で社長に駄目出しを喰らってしまった。うーん、臨場感が足りなかったかな。 部屋の奥の執務机から社長とひつじさんの話し声が聞こえてきたのはそんな時だ。
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