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視覚は地の文などで細かく描写することができますし、聴覚はセリフ文で想像させることができます。触覚も、痛みや相手へ触れた時の感触など、個人的には読んでいて想像がしやすいです。味覚、これは書き手の手腕にもよりますが、上手く書ければかなり想像がしやすいですよね。じゅわっとメープルシロップのかかった美味しいパンケーキや、初めて手作りをしたあまり上手く出来なかったパサパサのハンバーグ、それぞれ描写の仕方次第ではかなり読み手に伝わると思います。
けど。
嗅覚って難しくないですか?かなり緻密に描写をしたとして、例えそれがカレーの匂いや生ゴミの匂いなど身近なものだったとしても、書き手の思う「匂い」と読み手が文章から受け取った「匂い」を擦り合わせるのってすごく難しいと思うんです。きっと、書き手の思う「匂い」と全く同じ「匂い」を読み手に伝えることはほぼ無理だと思います。
もちろん、残りの五感も完全に擦り合わせることは難しいとは思うけれど、嗅覚ってとくに難しいなって。
でも、だからこそ、私はそれを書きたいし、伝えたい。難しいかもしれないけど、それが伝わったらきっと物語が「生きて」くるだろうから。
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