Hino's essay

・雨だから、雨なので。

　雨ですね。豪雨です。そう、今は雨が降っています。しとしとでもなく、ザアザアでもなく、もっと凄い、スーパーで言うならばコストコみたいな雨が降っていました。もう止んだかな？

　私はマクドナルドでハンバーガーふたつを頬張りながら外を眺めていたわけですが、傘をさす人、ささない人。ずぶ濡れの人、そうでない人。焦っている人、余裕のある人。様々でした。なんでだろう？みんな同じ雨に降られているはずなのに、どうしてこうも在り方が違うんだろう。なんてことを考えながらふたつめのハンバーガーに手を伸ばすわけです。食いしん坊ですからね、私は。

　余裕。それがある人とない人の違いかな、なんて、思ったりもして。いいな、余裕がある人は。そう、羨ましくもなりました。だって、お気に入りのスカートが雨に濡れようとも、おろしたばかりの靴がびしょびょになったとしても、背筋を伸ばしてシャンとしていられるのは羨ましいし、カッコイイから。まあでも、そんなふうに羨ましがる先には、その人なりの努力や見えない葛藤があるんですよね。

「最悪だ、昨日買ったばっかりなのに」

　って思ってるかもしれないし、それが顔に出ないだけかもしれないし。案外、分からないものです。人のことって。

　同じように。
　人に分かってもらえないと嘆いたとしても、他の人からしたら全然分からない変化なのかもしれないし、些細なことなのかもしれませんよね、自分の中の葛藤や変化って。そう思えば、なんだか少しだけ息がしやすくなってきたかも。気がするだけかも。

　読み取るのも、読み取ってもらえるようにするのも、難しいですね。QRコードみたいにピッて、今の気分とか不安の度合いとかが簡単に読み取れて分かればいいのに。そしたら私、レジ係の如くみんなをピッてして回ります。不安な人を探し集めて、かき集めて、輪になってよつ葉のクローバーとか探しちゃお。お手製のチャイでも飲みながら。どうですか？