・承認欲求

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・承認欲求

 もっと読まれたい。褒められたい。好きになってほしい、作品も、私自身も。  そう思いながら梅雨前のこの時期を日々悶々と過ごしています。  起きてまず思うことが「作りたい/書きたい」なのって、創作する人間にとってはいいのかもしれないですけど、結構これがキツくて。起きてすぐに自分の求めるものの多さや大きさを目の当たりにすると疲れちゃうんです。  「こんな作品を作りたい」、そういった純な気持ち以外にも、「この人に気に入られたい」「あの人に読んでほしい」などの邪な気持ちが混ざった気持ちを抱えて起きるのはあまり好きじゃないんです。だって普通に疲れちゃうから。それでも、起きるたびに私を包むのはそんな感情。正直、厄介。ああこれが承認欲求か〜って思いながら髪を整えたりして支度をします。  そう、私は承認欲求の塊なんですよね。  自分が一番分かっているんですけど、伝わる人には伝わっていると思います。恥ずかしいな〜。で、それとどう向き合っていこうかな、って話をしてみたいと思います。この話が終わる頃に答えが出てるといいんだけど。    さて、それでは順を追って話していきましょう。  まず小説って、読むのが億劫な人が多いと思うんですよね。そんな中で読んでくれる人の有り難さっていったら、もう。それに加えて感想までくださる人には頭が上がりません。だからかな、そんな人にずっと好きできてほしくてついその人に寄せた作品とかを書いたりしちゃったりもする。自分の書きたい作品を書くのが一番なのに、その軸をブレさせてでも、その人に好きでいてほしい。そう思っちゃうんです。だってその人は私の作品を好きだと言ってくれる優しい人だから。  でもそんなことをしていると、やりたいことばかりになっていって。  あれもしたいこれもしたい、の中身が本当に自分の為だけの行動なのか怪しくなってきます。  ね、怖いでしょう、承認欲求って。  本来は上手く付き合っていけば作品を向上させるために必要な要素だとは思うんです。でも、私の場合はそれが強すぎる。今もそれが苦しくてエッセイを書くことで心を落ち着かせています。  書きたいものを書いてきた結果、好きでいてくれる人がいるのにも関わらず、今度は私自身がそちら側へ寄っていってしまうのは笑えるくらいに本末転倒で。そんなことをしていると読者やフォロワー、知人や友人が離れていったりもするんですよね。「貴方のままが好き」と言ってくれているのに、私はそれを信じられずに寄せにいってしまう。情けなく、また、臆病すぎる話だと思います。  毎朝私を包む承認欲求とどう向き合うか、これを書いていても正直あんまり答えが出てきません。一生このままかもしれないし、何かがきっかけで吹っ切れるかもしれない。どうなんだろうな。  「気に入られたい」この気持ちが私の中を占拠している間は、本当に自分の書きたい作品を書くことは難しいのかもしれない。  もちろん、たまにそういう作品が書ける時もあるんです。そういう時は本当に穏やかで、楽しくて。毎回そうであればいいんだけどなぁ。  「書きたいものを書く」「作りたいものを作る」それができるようになるにはもっと自分との対話が必要なのかもしれませんね。もっともっと、自分へと目を向けて、他者へよそ見をする隙を与えないほどに自分と向き合って作品作りをする。そうしたら少しはマシになるのかも。  結局、これと言った答えは出ませんでした。  あ、でも。  この文章は「誰かに気に入られたい」とかで書いたとかじゃなく、ただの悩みなので一番自分に向き合えているのかも。皮肉な話です。  明日も元気に、承認欲求に包まれながら起きたいと思います。  頑張れ〜、私!  それでは、また次回お会いしましょう。
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