・ #ひのの目安箱 ③

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 今回も文通をしてくださる方からおたよりが届いたのでお返事させていただきたいと思います。また送ってくださって嬉しいです。では。  以下、本文ママ 『こんばんは。文通の者です。 ひのさんのエッセイとTwitterを拝見しました。「鬱がなかなか良くならない」という言葉に「わかるううううう」と勝手ながら共感してしまいました。 「明け方の海で小さな小さな貝殻をずっと探しているような心細くて途方もない感情」という表現、なんでひのさんは、こんな素敵な言葉が浮かぶのでしょうか。うらやましくなりました。 本当に、いつになったら良くなるんでしょう…私に関して言えば、薬を飲んでいるはずなのに希死念慮はちっとも離れてくれなくて、今日も頭の中の大半を「消えたい」で埋め尽くされながら、何とか先ほど仕事を終えたところです。 たいてい誰かと一緒にいたり、働いているときは気が紛れるのですが、今日についてはそう上手くいってくれませんでした。とても疲れました。 私はこれから家路に着きます。1人になったらまた負の感情が襲ってくると思うと、自分で自分が嫌になります。 ちっとも良くならない私に、「焦らなくていい」と自分で声をかけられればいいのですが、なかなかそうはいかなくて、つい不甲斐ない自分を責めてしまいます。泣きたい。 きっと今夜も「消えたい」という感情と手を繋ぎながら眠りに落ちるのだと思います。明日はどんな1日になるのかな。仕事があるということだけは確かです。 今回のひのさんのエッセイですが、「楽しくなくなったら書くのをやめればいい」という言葉に賛成している自分がいました。むしろ詩や短歌という形では、これからもひのさんの世界を味わえると思うと、うれしい限りです。 お互いに、鬱が良くなるといいんですけどね…こういう時に上手いことが言えればいいのですが、私にそんな力は無くて、途方に暮れてしまうばかりです。 どうかひのさんの状態が良くなりますように、とだけ念を送らせてください。 特にオチはなく、溢れる感情をただ書き殴ってみました。おやすみなさい。。。』  おたよりありがとうございます。こうして再び送ってくださることがとても嬉しいです。そして有り難すぎる褒め言葉まで。私の方が勇気づけられてしまいますね。でも、こうして自分の言葉でこれだけの文章を紡げる貴方がうらやましくもあります。すごいなぁ、と毎回思いながらお返事をしていますよ。素敵な文章です。やさしさが伝わってきます。  鬱、どうしたらよくなるんでしょうね。何をしても悪手になっているんじゃないかと不安になる夜が私にもあります。辛いですよね。消すことのできない希死念慮を抱えての生活はとてもとても辛いと思います。そんな中でお仕事を頑張っていらっしゃって尊敬します。すごいです。もっとご自分を褒めてあげてほしいところですが、それもなかなか難しいですよね。自分のことを正しく理解できなくなるのも鬱の怖いところです。鏡に写った自分のありのままを受け入れ、愛すことができれば少しは良くなるのかなぁ、なんて思いながら、自分もなかなかできないでいます。難しいですね。自分では言いにくいかもしれないので私からお伝えしますね、お仕事お疲れ様です。すごいです。  自分が自分で嫌になる、これってすごく真面目で一生懸命だからですよね、きっと。鬱の影響が大きいとは思いますが、それ以前に貴方がやさしい人で真面目な人で、自分に対しての意識が高い人なんだと思います。だからこそ一人になると耐えきれないほどの感情に押し潰されそうになってしまうのではないかな、と、そう思いました。具体的な対策や対応を提示できるわけではありませんが、「自分が自分で嫌になる」のこの中に「自分のいいところ」が混ざっているということを意識してみてはいかがでしょうか?きっとそこに目を向けられれば少しは孤独な夜もあたたかくなると思います。大丈夫です、駄目な人間だからそう感じるわけではないと思います。やさしくて、真面目で、もっともっとって考えてしまう諦めない人だからこその感情だと私は思います。無責任ですが、このことばがなにかのお守りになればいいな。  不甲斐ない自分を責めてしまう、とおっしゃっていましたね。とても分かります。こればかりはどうしようもない時ってありますよね。でもこれも上記でお話ししたように、とっても真面目だからこそなんだと思います。だからどうか、そんなやさしい貴方が潰れてしまわないように責めないであげてください。誰に頼まずとも自分を甘やかせるのは自分です。少し楽な時だけでもいいのでたくさん自分を甘やかしてあげてください。できるときだけでいいです。繊細でやさしい貴方がどうか潰れませんように。  「消えたいという感情と手を繋ぎながら眠りに落ちるのだと思います」という言葉に深く頷きました。消えてしまいたいですよね、辛いですよね。どんな明日が来るのか不安でたまらないとき、眠るのが怖くなる時があります。だけど思うんです。諦めちゃうのも大事かなって。これはあくまでひのの考えですけど、明日がどうなっても生きてればいいかなって、それだけできてればもういいかなって。そうやって思えると不思議と明日がゆるやかなものになって、怖くなくなるんです。明日はただ受け入れるだけ。その中で何か楽しいことや幸せなことを見つけられたらハッピーで、嫌なことがあったらそれは私のせいじゃない。そんなふうに全力で逃げたりします。明日に意味を持たせないことも、いいのかもしれません。合う合わないがあると思うので、もし合えばこの考えを取り入れてみてください。明日はやわらかくて、なにもなくて、意味は後からやってきて、最初から怖いものなんてなにもない、そう思える夜が来ることを願っています。  私の詩や短歌をいつも見ていてくれてありがとうございます。うれしいな。実は今日、賞などを気にせずに好き勝手に小説を書いてみたんです。そうしたら楽しくて楽して。久しぶりの感情でした。でも賞にも出したいし、楽しみつつなんとかやっていけたらなと思っています。見守っててくれてありがとうございます。本当に嬉しいです。  「私にそんな力は無くて、途方に暮れてしまうばかりです。」とおっしゃいますが、そんな事ないですよ。こうしてひのに相談をしてくれること、頼ってくれることが私の支えになっていたりします。ひのは誰かの役に立てることが本当に嬉しいんです。だから貴方がこうしておたよりを送ってくださることが、私のためになっているんですよ。いつもありがとうございます。嬉しいです。あわよくば、私の言葉が貴方のどこかに届きますように。  あたたかいお言葉と念、しっかりと受け取りました。鬱を抱えながらも、こうして頂いたお言葉を大切にしながら生きていこうと思います。あれ?私の方が元気づけられているような……。本当にありがとうございます。  さて、今回は少し長くなってしまいました。最後まで読んでくださってありがとうございました。おやすみなさいには間に合わなかったけれど、朝やお好きな時間にこれを読んで少しでも心が軽くなればなと思います。  穏やかな一日になりますように。  では、またお会いしましょう。  
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