25人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
・・・放課後。
学校の近くの公園に集まった五人は屋根付きの休憩所スペースを陣取っていた。
「あんなに綺麗だった桜もすっかり散っちゃったわね」
トモが寂しくなった桜の木を見上げながら呟いた。
「来年はレナも一緒に花見しような」
「うん」
ナオの言葉に嬉しそうに頷く。
しばし今年のお花見の話題で盛り上がった後、
「そろそろ本題に入らないかい?」
タカの一言で本日の議題に入ることに。
「じゃあ、詳しい話は当事者のリナからお願い」
トモに促されてリナが話し始める。
「分かったわ。実はみんなに相談したいことがあって今日は集まってもらったの」
皆がリナに耳を傾ける。
「今うちの商店街にある話が持ち上がってるの知ってる?」
「どんな話だ?」
ナオにはさっぱりだ。
他のメンバーも聞いたことないらしい。
ちなみにリナの実家は商店街で電器屋を営んでいる。
「商店街をなくしてショッピングモールを建設しようっていう計画よ」
リナは困ったような表情をしている。
「本当かい?それは深刻な問題だね」
「そうなのよ」
「でも、もちろんみんな反対してるのよね?」
レナの言葉にリナは頷く。
「えぇ。断固拒否する構えよ」
今度は強気な表情のリナ。
「商店街なくなったら困るから応援するわ」
トモがリナの手を握る。
最初のコメントを投稿しよう!