25人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
・・・・・・
「いや~、お前やっぱすげぇな」
授業が終わりマサの元へ行くと直ぐ様お褒めの言葉が。
「引っ掛かった瞬間胸がすかーっとしたぜ」
「それはなによりだ」
「でもたったこれだけしか使ってないんだから燃費良いよな」
マサの手にはテグスが握られている。
タクアンに仕掛けたいたずらとはいたって単純。
机の脚と脚にテグスを張っていたのだ。
透明でパッと見では気付かない。
それに足を取られたタクアンは転倒したというわけ。
「なっ、いたずらって面白いだろ?」
「あぁ。ハマる理由が分かる気がするよ」
「マサもいたずらの沼に一歩足を踏み入れたみたいね。これからはハマっていく一方だから覚悟しときなよ」
ナオと一緒にやって来ていたトモが言った。
「お前怖い言い方すんなよ」
笑うマサ。
あのマサが教室で笑うとは。
周りの生徒達もびっくりしている。
ナオがマサを勧誘し出してから段々とマサの雰囲気は変わっていっていて、今ではだいぶ入学当初の怖さはなくなっている。
その辺は周りも感じてはいたがまさか笑うとはといった感じで驚きを隠せないようだ。
今回のいたずらもナオを介して隣の席の子に協力を依頼していた。
「サンキューな」
隣の子にマサがお礼を言った時の戸惑いを隠せない苦笑いは印象的だった。
とはいえ、ナオ達のおかげで少しずつではあるが一匹狼キャラも消えクラスにも馴染み始めているマサがいた。
しかし、その裏ではまた新たな動きが進行しているのであった。
最初のコメントを投稿しよう!