第一章『ショッピングモール化計画』

1/21
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ

第一章『ショッピングモール化計画』

高一の春。 入学式も終わり新入生達もそれぞれのグループに分かれ、新しい友達とも親しくなってきた頃のお話。 同じ高校に進学したナオ、トモ、リナ。 そして、中学からの仲間のタカも進学校ではなくナオ達と同じ高校を選んでいた。 一年生は何クラスかあったが奇跡的に四人は同じクラスになれた。 さらにそこに新メンバーが加わる。 レナだ。 少し控えめなレナだったが、社交的なリナが話し掛け、あっという間に仲間に引き入れてしまった。 四人からこれまでのいたずら話を聞いたレナはとても興味を持ったらしい。 実際、高校に入ってからも既にいくつか先生やクラスメートに仕掛けているのを目の当たりにもしていた。 「今度からはレナも一緒にやるからね」 「うん、楽しみ」 昼休み、教室で皆とダベりながら満面の笑みを返す。 「とりあえず歓迎の意味も込めてやっとくか」 「ん?何か言った?」 隣のトモが聞き返してくるが 「別に」 ナオはとぼけるとレナに話し掛ける。 「レナ。立ってないでここ座れよ」 ナオは自分の席を勧める。 他のメンバーも立ったり座ったりまちまちだ。 「えっ、大丈夫だよ」 「まぁ、まぁ、そう言わずに」 半強制的にイスに座らせようとする。 ナオの行為に他の三人は違和感を覚えたが、特に止めたりはしない。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!